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絵本など

2014年6月21日 (土)

司 修の絵本 その2

司修の本を見ていたら、急にその他のものが見たくなって、アマゾンと区立図書館の資料を検索する気になった。
まず図書館の資料を検索して、沢山の興味深い本が見つかった。
さっそく予約して、報せが来るのを待つことにした。
絵本関係、版画関係、作家としての著書。
次々に予約本が着いたと知らせが来て、取りに行った。

絵本

①もりのはる・なつ・あき・ふゆ 創作幼年絵童話 文 大石真 昭和44年 実業之日本社
②サーカス物語 ミヒャエル・エンデ作 矢川澄子訳 1984 岩波書店
③100万羽のハト 2011 偕成社
④グスコーブドリの伝記 宮沢賢治原作 司修・文と絵 2012 ポプラ社

版画集
①愛と性をめぐる変奏 中村真一郎詩 司修画 1978 思潮社
②薔薇 金井直・詩 司修・絵 1976 偕成社
③青猫 幻想童話館 1965 東京書籍

随筆
①本の魔法 2011 白水社

アマゾンで購入
絵本 
①リンゴーわらべうたによる 1994 ほるぷ出版
②幻想 萩原朔太郎『郷土望景詩』 平成18年 勉誠出版
(1円で購入)Avant-garde Artist Tsukasa Osamuの絵

ざっとこんな本を集めてしまった。
 

司修に対するイメージはやはり初期の版画、緻密な幻想的な写実なもの。
図書館で見つけた中村真一郎の詩に基づいた版画は素晴らしい。思わず手元に置いておきたくなってアマゾンで中古を探している。さすがに1円ではなく正当な評価の価格のようだ。

司修の略歴は『グスコーブドリの伝記』ポプラ社に紹介してあったのが分かり易かったので
書いておこう。

1936年、群馬県前橋市に生まれる。画家として出発。のちに創作絵本、本の装幀、エッセイ、小説などを書くようになる。
挿し絵=「宮沢賢治童話集」実業の日本社、「銀河鉄道の夜」(岩崎書店)、
絵本=「雁の童子」(偕成社)、「注文の多い料理店」(チャイルド社)、
「セロ弾きのゴーシュ」(ラボ教育センター)、
阪神淡路大震災をテーマとした「アスカ」(ポプラ社)ギルガメシュ王の物語(ぷねうま舎)
受賞=小学館絵画賞「はなのゆびわ」(絵本の絵)
    講談社出版文化賞「金子光晴全集」(装幀)
    川端康成文学賞「影について」(小説)
    毎日芸術賞「ブロンズの地中海」(小説)
    大佛次郎賞「本の魔法」(エッセイ)
展覧会=「司修のえものがたり」(群馬県立近代美術館
Cimg0180_550x413『グスコーブドリの伝記』の最初の頁、全ページ青の世界が展開している。




2014年6月16日 (月)

『司 修』の絵本

Cimg0211_500x375
司修の絵本を初めて意識したのはもう数年前。宮沢賢治の童話、「セロ弾きのゴーシュ」だったかな。

司修っていいな。この線と色と構成力。すごく気に入ってかれの絵本を探しはじめたのだった。

実は最近図書館で久しぶりに絵本を見つけた。宮沢賢治の有名な詩、雨にもまけず。え・つかさおさむ。緑色の表紙で小さな絵本だったが、図書館の書棚にひっそり存在していた。
この詩だけの1冊。1頁に1枚、白黒の挿し絵が描かれていて、ユーモアがあってひねりも利いてほのぼのとした絵本だった。初版2012年9月 偕成社発行のまだ新しい本。こんな仕事をしていたのでした。

Cimg0205_346x500_3さらに調べてみると最近作は「銀河鉄道の夜」2014年3月初版 偕成社があった。さっそくアマゾンで購入してみた。
これがまた素晴らしい力作なのである。子供の頃本気で読んだかどうか忘れていて、この際、司修の絵の力を借りて、宮沢賢治を読み直す気になったのだった。

これも1頁に1枚の絵。絵の技法はスクラッチボードといって、以前出版した宮沢賢治童話集で描いた方法なのだそうだ。彼はさまざまな技法を発表していて、実に器用な作家だと認識していた。幼児向きには柔らかな具象画だし、
大人向きには版画の技法を使って細密な描写をしている。

この本も素晴らしい絵が宝石のようにちらばまれていて、挿絵を楽しみながら読み進めてみようと思う。

改めて私の本棚をチェックしてみました。

数年前からコレクションをしてあったのです。

①セロ弾きのゴーシュ 宮沢賢治作 冨山房 1986

②おうさまのたけうま ドクター・スース作 学研 1968

③しろいことり 岸田今日子作 フレーベル館 2001

銅版画を始めたころ(2003)から興味を持ち始めたのだと思います。
いま、横浜美術館でのアトリエに刷りに通っているけれど、そこで司修ファンに出会いました。
初めてでした。

彼女と司修って良いわね~と共感して、再び彼の近作を追ってみたというわけです。

1936年生まれ。ますます油がのってきているように思えます。
そして私も彼の近作を追っかけ始めているのでした。

Cimg0212_500x371

「銀河鉄道の夜」の一ページ 白黒の挿画が見ごたえがあってすばらしい。


2013年10月29日 (火)

ねこ ねこ こねこ の本

今まで猫を飼ったこともないし、猫が好きだったことはない。
子供の頃は兄が拾ってきた猫がうちにはいたけれど、母がその猫を捨てに言った記憶が残っている。それなのになんで猫の本がいつの間にか手元にあるんだろう。

となりの竹藪で猫の一家を発見して、子猫たちがうちの周りをうろつくようになって、
急に猫のことが気になって仕方がない。

Cimg2395_399x550_5その上、金昭希(キムソヒ)さんの個展で
こんなかわいい版画を見つけて購入してしまった。人生長いのだから依怙地になって自分の好みを固執する必要もない。可愛いものは可愛い。手元に置きたくなる。
金昭希さんの独特なユーモアの世界。
これは猫の後姿がいい。顔が見えないのが想像力を膨らませて。どんな顔して女の子をからかっているんだろう。
人と猫の逆転シーン。
キムさんの版画には、ほかにも猫が自転車の篭に赤ちゃんを乗せているもの。キャリーバッグに赤ちゃんを入れて猫のお母さんが運んでいるものとかいろいろあって、深い。
韓国の若い留学生の版画家。

ねこの絵本を整理してみた。

●絵本
Cimg0237_550x492ねこ ねこ こねこ
ブルノー・ホルスト・ブル ぶん
ヤーヌシ・グラビアンスキーえ
まえかわやすおやく 1969 偕成社
子供たちが小さかった頃、このねこのかわいさに惹かれて買った本。落書きがあってなつかしい。ねこのかわいらしさ、美しさ、親子の愛情、野性味、媚び、とぼけとさまざまなねこの姿態が的確奔放なタッチで生き生きと描かれていて魅力的な絵本です。

Cimg0236_474x550_2

すいっちょねこ
大佛次郎 文
朝倉摂 絵 講談社 1971

この絵本も朝倉摂さんの生き生きした猫の絵が気に入って
買っていたものでした。
今見返してみても、いかにも生きている猫のように動きはすばらしい。
色も背景も、すいっちょを食べてしまった子猫のお話とぴったりで、猫のお母さんの優しさも出ていて水準の高さに驚く。

Cimg0722_479x550どんぐりと山猫
宮沢賢治 作
高野玲子 絵 1989 偕成社

ねこ記念日
高野玲子銅版画集 1998 けやき出版

銅版画を作成するようになって、銅版画で描かれた絵本に興味がでて、購入したのだった。
高野玲子さんは猫好きらしくねこの作品集も描いている。

丁寧なエッチングが参考になったりして。
銅版画の参考書として買ったのかもしれない。

Cimg0726_550x496あっちの女 こっちの猫
佐野洋子画文集 講談社1999

佐野洋子をまだよく知らなかったとき、
猫を抱く女の線に魅せられて
最初に買った画文集。

やはりエッチングの猫が魅力的だった。

文より絵が気に入っていた。

Cimg0727_425x550猫町
萩原朔太郎
金井田英津子・画 パロル舎 1999

猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫。どこを見ても猫ばかり。
いつもの角を曲がったら、
そこは夢現・無限のめまい町。
ノスタルジックでモダンないらすと紀行。

版画家金井田恵津子の銅版画の世界がすばらしい。

それだけで買った。

Cimg0725_550x401_4

空飛び猫
アーシュラ・K・ルグウイン
村上春樹 訳
S.D.シンドラー 絵 講談社 1993

空を駈けるジェーン
アーシュラ・K・ルグイン
村上春樹訳
S,D.シンドラー 絵 講談社 2001

シンドラーの猫の絵に興味を持った。村上春樹が付いてきた。

こんなわけでいつの間にかねこ本がたまっていた。生きたねこがうろうろしているので
いつのまにか関心が猫にシフトしてきて、改めて書棚からひっぱりだして秋の夜長を楽しんでいるというわけです。

2013年10月 2日 (水)

《はまべにはいしがいっぱい》作 レオ・レオーニ

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国立新美術館の地下の売店で、いい本をみつけました。
作 レオ・レオーニ《はまべにはいしがいっぱい》 訳 谷川俊太郎、発行 好学社
《ON MY BEACH THERE ARE MANY PEBBLES》

谷川俊太郎が表紙の見開きにこんな文を書いています。
Cimg0191_550x411_3       あなたも もっと いろんな いしを さがしに はまべへ きませんか?
Cimg0195_550x399_4 

レオニの魔法
ことばはほんの少しだけ、おまけに色もごらんの通り・・・・・・・それなのにこの絵本はいつまでも見ていていても。見飽きるということがありません。
レオニの想像力と、それをささえる描く技術、その二つとも基本的には何のてらいもない素朴なものです。浜辺の小石にいろいろなものの形を見るのは、こどもたちの得意とするところだし、鉛筆(多分)ならだれでも持っている。しかし単純なものから出発して、レオニはなんと洗練の高みに達したことでしょう。なんという微妙な味わいを作り出したことでしょう。
これはもう魔法としかいいようがありません

レオ・レオーニ(1910~1999)の絵本はコラージュのような組み合わせたものばかりと思っていたら、こんな細かい描写にも長けていたのですね。思わず引き込まれました。

とくに石ころには敏感ですから。この絵本を眺めながら次なるアイディアを考える時間ができました。いつの間にか石ころが集まってくるのが不思議です。

Cimg0196_434x550レオーニの絵本は誰でも一度は子供のために読んであげたことがあるでしょうね。イタリアでアートディレクターとして活躍。孫のために絵本を作り始め、アメリカで絵本作家として認められ、実力、人気とともに世界中で認められています。

以前手に入れた絵本、《Six Crows》
カラスのコラージュが印象的でした。打って変わって、細密描写の石ころの絵本。
石ころってだれでもこんなにイメージを膨らませることが出来るのですね。
まだまだ深いものがあります。

手に入れたのは言うまでもなく、孫の為ではなく、自分のために。やっぱり惹かれます。

2012年9月25日 (火)

ワイルドスミスの絵本 ABC

AbcAはAPPLE、から始まります。BはBUTTERFLY、CはCAT、DはDOG、
EはELEPHANT、FはFISH、GはGOAT、HはHORSE,
ここまでは誰でもよく分かります。6才の孫もみんな知っていました。
JaguarIはIGUANA、JはJAGUAR
この単語を選ぶのはワイルドスミスらしいような気がしてきました。
KはKETTLE、LはLION、MはMOUSE、NはNEST、OはOWL、PはPEACOCK
羽は拡げておりません。Kだけちょっとジャンルが違います。 Queen

QはQUEEN,グリム童話にはQUEENはおなじみです。すてきなQUEENですね。
RはROOSTER,雄鶏ですね。SはSNAIL,TはTURTLE、
すこしむずかしくなってきました。 Unicorn_2 UはUNICORN、どんなどうぶつ?孫には理解不能です。見たことないものね。
昔のお話やカーペットの中でしか見られないもの。一角獣って書きます。
VはVIOLIN.。WはWINDMILL。風車なんてオランダの風景には沢山見られます。Xyloliphone_2 XはXYLOPHONE お誕生日にプレゼントしたね。鉄琴っていうけど。YはYAK。,ZはZEBLA

これでおしまい。6才のお子様にはちょっとむずかしいものもあったけれど、想像力をふくらませて、未知の世界に歩き出せそうなものばかり。
いつまでもみんなで思い出して楽しみましょう。
小さな孫も、とっても興味を持ってくれました。楽しかったね。

秘蔵の絵本をちょっと紹介したくなって、孫とみた日をお話してみました。

ワイルドスミス独特なセレクトでした。ヨーロッパの文化の深さを覗きみている気がします。

2012年9月18日 (火)

ブライアン・ワイルドスミスの絵本 どうぶつ

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 目白からバスに乗って降りたのが鬼子母神前。左に曲がって鬼子母神への道路沿いに古本みちくさ市が始まっている。商店の店先に自分の持ち場所があって思い思いに本や雑貨が並んでいる。
この市を初めから歩いてみたくて、暑さの中バス停を降りたのだ。
若い女性がささやかに広げている最初の店でもう捕まってしまい、思わず手にとったのがワイルドスミスの絵本「どうぶつ」。
彼の本は絵が好きで、子供が小さかった頃買ったものが数冊と自分のために買った洋書が数冊。大事にコレクションしてある。ただこの「どうぶつ」はもっていなかった。2004に再販されたものらしい。もう買うしかない。600円。表紙には2匹の虎。目が合ったとはこの事みたい。Photo

                                 my collection ワイルドスミスの絵本

こ の華やかな色彩乱舞の絵本はいつみてもすぐ彼の世界に入り込め、想像力を掻き立ててくれる。
「どうぶつ」を持って、ぶらぶら歩きながら、いつのまにか鬼子母神でやっている手作り市に着いた。市を見る前に、まずお墓参り。彼岸の入りまであと数日なので人影もまばら。
今日は早めに来ましたよとお線香をあげてきた。カンカン照りの墓地は乾ききっていて、いかにも墓場。いつかは。ここに眠る。

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手作り市は見事に人出があり、思い思いに若い店主たちと会話を楽しみながら、自分流の手仕事を探している。陶器、革製品、染ものの袋、食品もある。
鋳造のフライパンが目について、眺めていると若い店主が話しかけてきた。
“その本、知っています。小さい時読んだもの”
ハダカで抱えていた「どうぶつ」のことだ。
そこの古本市で今買ってきたのよ。やはり目に留まるのだ。
子供の頃に読んだ本、みんなの心に焼きついている本。

鋳造品のお店には手作りの電気の傘、卓上ベル、皿、フックなどが並んでいて、いい音色ベルがとても気に入ったけれど、今日の私の財布はとても軽く手に入れるわけにはいかない。手作り市での再会を約束して離れたのだった。

帰り道、同じ道を戻り、はじめの店に又寄って、チェコの絵本も手に入れた。表紙もかわいいけれど、内容はもっと素晴らしかった。動物と子供とのコラボ、動物の親子のイラスト。的確なデッサン力と古ぼけたような色彩。1982の出版だからそれほど昔ではない。

2012年5月27日 (日)

<いちりんの花>

建築家で恩師O先生の米寿の御祝の会があるという連絡が来て、何かプレゼントを持っていきたいと思い、同行者のHさんと相談の結果、それぞれがお花を一輪ということに決めました。
何故なら、77才のお祝いのとき、花束は後の始末が大変だから、老妻から禁止されていると言われたことを思い出したからです。
確かに沢山の花束をいただくのは嬉しいに違いありませんが、お手伝いもいない高齢者のお家族には負担以上の何ものでもないのかもしれませんから。
残念ながら老妻は昨年亡くなられて、お一人で米寿を迎えられたのでした。

そこで一本の花を何にするか、花屋さんの店先で考えました。
恋人なら赤い薔薇がいい。白い薔薇やピンクの薔薇は存在感が希薄です。
最近の造花はかなり表現力があってそれなりなのですが、今ひとつ満足なのは見つかりませんし、1本では何も語りません。

花を探しながら、近くの本屋さんに立ち寄ってみると、いい絵本が目に留まりました。

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《いちりんの花》講談社 日本画家平山郁夫氏(1931-2009)の妻子による共著でした。
文章を詩人でもある長女の平山弥生さん(53)が書き、絵は夫人の美知子さん(86)が木版画で描いています。
結婚するまでは優秀な日本画家であった夫人に「私が死んだらまた絵を描いて欲しい」という平山画伯の遺言からこの絵本が生まれたということでした。

大地に再び花が開くという震災からの再生を暗示させる物語。

内容をみて、これこそ一りんの花、これに決めました。それにこの前咲いたとびきり美しい私のバラ〈ステンレススティール〉の写真のカードを添えました。
Hさんとの約束事を守ったことにはなるでしょう。
会場でHさんに会い、私が手ブラのように見えたのでしょう。あら?お花は?とすぐ聞かれ
て絵本の包を見せました。納得?
Hさんの選んだ花は、紫の薔薇2輪。染色された生花でした。

この選択に亡き夫人はどんな顔をされているでしょうか。

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2012年5月 8日 (火)

<いぬはてんごくで・・・>Dog Heaven

Dogheaven_3 9年前の冬

初めて飼ったゴールデンレトリーバーの

ぶんぶんが8才で天国へ逝ってしまったとき、

おくやみに来てくれた犬仲間の友人たちに

この絵本を送ったのでした。

いつの日かみんなの犬も天国へ旅立つとき

には、ぶんぶんがお迎えしますよ。

そんな気持ちを伝えたくて・・・・・

作者はアメリカの画家。シンシア・ライランド。

おそらく自分の愛犬のために、このような楽し

い明るい天国の本を描いたのでしょう。

素朴なタッチで、鮮やかな色彩の絵で、すべてのページが占められていて、

なんともほのかな、穏やかな気持ちになるのが不思議です。

いま、その時から9年の時間が流れて、再びこの本を開いています。

ぶんぶんに迎えられたユキの様子が手に取るように想像できて、

私の喪失感はいつのまにか消えていきます。

本当にすばらしい絵本なのです。こんな文から始まります

いぬが てんごくに いくときには

つばさはいらない

かみさまは

いぬが はしるのが だいすいきだってことを

よくごぞんじ

かみさまは いぬに のはらを くださる

ひろい ひろい のはらを

中村妙子訳  偕成社 2000

2012年3月 4日 (日)

白雪姫のお妃の最期は

白雪姫の絵本を再読してみたら、なんとあの鏡よ鏡よ・・・と叫んでいたお妃の最期がいろ

いろあることが分かりました。1時期グリム童話の残酷性についてかなり話題になってい

時があったのを覚えています。ご多分にもれず,この白雪姫もとっても残酷な物語です。

継母だったお妃は自分の美しさをいつも鏡に向かって確認していて、継子の白雪姫の方

がもっと美しいと言われると、簡単に家来に命じて森の奥で殺してくるように命じたりしま

す。この継母はグリムの原書では,はじめは実の母だったそうです。それではあまりに

母のイメージを悪くするというので、2稿で変えたという説さえあるのです。Photo

そういえば、私が小さかった頃、初めてこの童話を読んで継母の悪口を言っていましたら、母がとっても嫌な顔をしたのを覚えています。私の実母は一方で継母の立場でもあったのでした。晩婚(29才)であった母は1児付きの父と結婚していたのです。だからいじわるな継母の物語は嫌いだったのでしょう。自分はいい継母だと思っていたから。

白雪姫の数々の絵本では、やっぱり継母の最後の場面が数種類あるのが分かりました。

グリムの原書に従って、白雪姫の結婚式に招かれたお妃は真っ赤に焼けた靴をはいて、

死ぬまで踊り続けたというのが多いのは普通でしょう。それだけで充分残酷な結末です。

【いわさきちひろ絵、立原えりか文】 【山本容子絵 高津美保子文】

【バーナデッド絵、ささきたづこ訳】 【東逸子絵 中村浩三訳】

【宇野亜喜良絵、種村季弘訳】  がみなこの結末でした。

【ジョセフィン・プール絵 アンジェラ・パレット文、島式子訳】

はお妃が持ってきた薔薇の毒を飲んで死ぬ

【ペリンダ・タウンス刺繍絵 ジョーン・エイキン再話】Photo_4

自分の美しさが一番だと言ってくれない鏡を割って

その破片が胸に刺さって死んでしまう、という結末。

美しいアプリケと刺繍で絵を創ったペリンダ・タウンス

の絵本はさすがに独特な結末にしています。

こんなに色々違うと、若い子供達にどれを一番

薦めようかと迷います。

グリム童話に忠実で、絵も美しい東逸子の白雪姫が

いいかもしれない。この春1年生になる孫のはるかには字も大きく読みやすい

この本をプレゼントしようか。何でも保育園で沢山読んでいるから、ディズニーのを、

もう見たことがあって、“もう読んだ、知ってる”と返されてしまうかもしれない。Photo_2

では絵も1番きれいで、夢があるバーナットのがいいかもしれない。小人もかわいいし。

クレヨン画の色の豊富な絵は森の中の様子や小人たちも無理なく楽しく描かれています。

               ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私の一番好きなものは宇野亜喜良絵と種村季弘訳の【白雪姫】。

色を青で抑えて、美しさは抜群です。大人の絵本です。

2012年3月 2日 (金)

白雪姫と<7人のこびと>のこと

Photo

<世界でいちばん愛される絵本たち>という本を図書館で借りてきて読んでいたら、人気作

家30人のインタビュー集があり、そのうちの一人イギリス人作家アンジェラ・バレット(1955

 ロンドン在住)のインタビュー記事の中にとっても興味深い部分を見つけました。

彼女の作品に白雪姫があります。白雪姫と言えば、ディズニーによる映画が余りにも有

名なので、それが一番困ったという。あのかわいい小人のウィリーが出てくるという

イメージを持っている人がとても多いから。

白雪姫に出てくる小人はノームという1種の妖精を描いていることが多いのだそうで、アン

ジェラさんもノームを絵にしたそうです。小人は胴は普通の人と一緒で、顔が大きく足が短

いというプロポーションだそうです。大抵のイラストレーターは漫画的なノームの姿に置き

換えて描いたりしているとか。読者も本当の小人の姿を見たくないのかもしれなから。

そこで彼女は出来るだけ小人に近く、ロマンティックに描いたそうです。白雪姫を助けて育

てた小人たちに、きちんとした人格を与えたいという気持ちが働いたのだとか。

B

            アンジェラ・バレットの小人たち

私が愛犬の名前を白雪姫(通称ユキ)と決めてから、白雪姫の絵本を集め出したのです。

その中に彼女の絵本もあって、さすがにヨーロッパの作者らしく格調高く品のある美しい絵

が気に入っておりました。たしかに小人たちは大人っぽくて他の絵本とは違っていました。

やっと、その理由がわかったのです。

ちなみにほかの白雪姫を見てみました。小人の解釈はみな違っているようです。           D

           宇野亜喜良

C_2           

           山本容子

A

           岩崎ちひろ

F

           ナンシー・エコームバーカート

E

           バーナデッド・ワッツ

ひとつひとつの絵にしていく時、彼女はそこに自分の思想を表現している。絵の中に描かれている全てに、“そこに存在する理由”を持たせている。

とても気にかかる考え方です。版画を作るときにも、絵の中に描かれるすべてに存在する

理由をつけてみようと思ったのでした。

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