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フォト

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2012年8月

2012年8月31日 (金)

酷暑の版画工房 その2

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ついに夏の工房も終わってしまった。8/21・22・28・29・30と連日開講。足の痛みも忘れてしまって。リハビリに行く時間もまたスルーした。
次回の開講は9月20日から。
それまでは何もできない。だからがんばってこの暑い日、日参した。といっても車で行けたから何よりでした。
若い人たちは徒歩や電車で懲りずにやってきて、工房は満員状態の日もあって、そんな時は、刷りは順番待ちもでる。

私の場合、版の腐食はガレージ工房で済まして行くから、工房では、インク詰めと刷りに精出すことにする。
四角い石畳をイメージして、またタイル状の石のかけらを並べてみる。石の表面にアクアチントで表情付けるため、松脂を手撒きし、慎重にバーナーで溶かし、5分ぐらい腐食する。
なんだかいい感じに出来たので、次の日工房で刷ってみる。アクアチントの上がりはとってもうまくいったので、しばらく眺めて今度は何を加えようかと、しばし考え中。
版の上に色々なものを加えて、腐食時間の差で物の存在時間を表してみる。

Photo

版は とってもうまくいったかのようにみえた。川底に沈んだ日常のもの。
それらをいっぱい沈めてみたい。きれいに仕上げることではなく、展覧会場の見え方など気にすることなく、なんでも散らばせて、腐食して、石の形を消してもいいと思いながら、埋めてみた。
次はどんな色がいいか。
茶色は無難。銅の色と同じ。落ち着くけれど、つまらない。
赤でやってみる。シャルボネの赤(ゼラニュウムレッド、バーミリオン)では透明すぎて、唐突で川底のイメージにはならなかった。
次の日、緑でやってみる。シャルボネの緑(メデュームグリーン・サップグリーン)残量僅少なのでみんな使い切ってしまおう。案外うまくのっている。やはり水の流れを加えたくて、2版目の線描きを重ねて見る。線の色もあえて緑で同系色でやってみる。

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最初の写真は毎日パソコンをしている目の前の、ある一瞬の窓の景色です。
一番むこうにブロック塀があり、その手前に笹の葉が茂ってきて、光の明暗で色が変わっていきます。次に硬い金属の窓飾があり、そしてガラス窓。一番手前に風鈴の鳥が揺れています。

何気ない一瞬を版画制作の参考にしています。こんな順序で銅版の上に物を置いて
腐食すればいいんだと。

2012年8月18日 (土)

windbell @Arcosanti

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夏の夕方になると、うるさいまでによく鳴っている。明日もいい天気になるといいなと思わず願ってしまう。もう20年以上も前にアメリカ旅行の旅先で手に入れた風鈴。

まだアメリカには行ったことがなかったので、新建築の建築視察団の、アメリカ横断ツアーに参加した。景気が良くなりかけていた時だったから、参加者は50名近くいて、大型の建築ツアーだった。これで一回りすれば、大体アメリカの有名な建築を見て回れるということだった。単独で参加した女子は私一人だけだった。

この風鈴に出会ったアリゾナ州フェニックスの砂漠までどう行ったか、もう忘れてしまったけれど、サンフランシスコ・ロスアンジェルス・ダラスの建築をみながら、ライトのタリヤセン・ウェストのスタジオへ入ったのは思い出した。そのかえりにフェニックスでイタリア人の建築家パウロ・ソレリが桃源郷のような都市を築造しているというアルコ・サンティへ寄ったのだった。

パウロ・ソレリのことはその時初めて知ったのだけれど、日本人も働いていて、その建設資金として、この銅の風鈴を作って資金集めしているのだとか言っていた。当時50ドルはしたような。安い買い物ではなかったなぁ。

私はこの風鈴をすごく気に入って、即座に求めたのだった。当時から鳥が好きだったから、
鳥がセットになっている、デザインを選んだのだった。

夏になるとこの風鈴がバルコニーの天井に吊るされて、東京の風とおしゃべりはじめるのです。20年間、ういういしくさえずっているのです。

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2012年8月 4日 (土)

ハラドキュメンツ9 安藤正子ーおへその庭 @原美術館

0802  原美術館は私の家から一番近い美術館。暑い午後、五反田まで行く用事があって、すぐ用事が済んだので原美術館まで足を伸ばしたのです。小さな美術館だから、気持ちよく鑑賞できると思ったから、足の負担も考えてタクシーを利用しました。
久しぶりに来た美術館はすっかり壁の色も真っ白に塗り変わっていてきれいでした。

安藤正子ーおへその庭  展。
1976生まれの若い作家。こんなに若い作家がなぜ原美術館で個展が出来るのか不思議でした。来てみてその謎は解けたのです。

原美術館はキュレーターの育成や、若手作家の支援を目的に開催する不定期のプロジェクト、「ハラ ドキュメンツ」の第9弾として「安藤正子ーおへその庭」展を開催したのです。
今回は10年ぶりの開催ということでした。

油彩画9点、鉛筆画10点が、美術館の1階の部屋に静かに納まっていました。
1室目には鉛筆画の作品がかかっています。じつに精密に、髪の毛1本づつ丁寧にかかれていて、まずその細かさに驚きました。エッチングのような硬さはなく、やわらかく空気感さえ感じられ、吸い込まれるように目を近づけて見入ってしまいました。女の子だったり鳥だったり、
動物だったり。みな手を抜くことなく柔らかく描かれています。

《磁器のようにつるりとした肌合いの画面に描かれたこども、動物や草花。繊細な描線、幾重にも塗り重ねた色彩と視線が吸い込まれるような奥行き。卓越した画力を持つ寡作の若手作家、安藤正子の美術館に於ける初個展。現実と非現実の間で「絵」になる瞬間を模索し、こつこつ描き溜めた絵画19点を一挙公開。図版では伝わりきらない安藤絵画の魅力、そこに息づく生き物たちの芳醇な物語世界を、実際に見て体験してください》
 
                                                      原美術館 プレリリースより

若い女性にしか描けない、母親でしか伝えられない愛の溢れた絵。、

原美術館の空間の中で見事に発酵し、熟していく絵。
こんな絵を描き、しかも認められる時代。思いがけない満足感、不思議感でいっぱいになったのでした。
 会場は空いているし、涼しいから夏の鑑賞にはぴったりの美術館でした。

会期中また訪れてみよう。70歳以上シルバー割引があるのですから。

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