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2012年2月

2012年2月29日 (水)

縦がいいか、横がいいか

雪が降った前日、版画工房に行ってきた。しばらく工房は休みに入ってしまうためか、

満員御礼状態で、プレス機は順番待ちの列が出来ていたりした。慣れた常連ばかりだっ

たので、作業はなんのトラブルもなくいい時間が流れた。

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青にこだわって、プルシャンブルーの版を作ってみた。

この色はグラデーションが自然に出るような気がして変化に違和感がない。

刷り上がると、自分が思っていた方向と違うことをよく言われる。

この版は初めから横構図のつもりだった。出来てみると、

これ縦の方がいいじゃない?と横やりが入る。

横なら川の水だけれど、縦だと滝でしょ。ちょっと違うなぁ。 川のつもりだったのに。

Blue_memory3b_6   

この前観たクレー展で、クレーは作品が出来上がると、やはり、位置をいろいろ変えてみ

たり、半分に切ったり、端をカットしたりして試行錯誤しているのですね。抽象の場合はそ

れが出来、新しい発見につながっていく。

工房のいいところは、いろいろな意見が聞こえることかもしれない。

相談員は教えないスタンスなのだけれど、意見はいう。

上の部分を削ったらいいとか、長方形から始めたのに、正方形にしてみたらとか。

私はそれらをほとんど聞き流すことにしている。自分の思い込みがエネルギーにつながる

のだもの。でもやっぱり縦の方がいいかなぁ。勢いがあるような。

色の差で効果が違うような気がしてきた。さぁ、どちらが展覧会場にいくのでしょう。

2012年2月27日 (月)

マックス・エルンストの貴重書を見る

横浜美術館のメルマガで美術情報センターの探検ツアーの記事を読んでいたら、

マックス・エルンストの貴重書を見るチャンスがあるらしい。

美術館には何ども行ったことはあっても、美術情報センターの存在さえ知らなかった。

おもしろそう。行ってみようと申し込んでおいたのです。

2年ぶりのみなとみらい駅。すっかり様相が変わって、美術館に行くアクセスも前とは違

う。長い間空き地だったところについにビルが着工され、囲い壁にはおしゃれなイラストが

描かれていて、うまく美術館まで誘導してくれる。

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寒さがぶり返して、足の痛みも気になったのに、こんな楽しい絵を見ながら、会場に入った

のでした。探検ツアーというから美術情報センターの中を10名ほどの参加者が案内に従

いて書庫やら閲覧室を見て回るものらしい。

私の目的はエルンストの本、最期にやっと案内され、エルンスト画、エリュアール詩、

の小さな詩画集、『LES MALHEURS DES IMMORTELS(神々の不幸)』含めて4冊の貴重

書を手を消毒して@1分で閲覧したのでした。

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1分ではほんのさわりしか分かりませんが、4月7日から、マックス・エルンスト展が始ま

り、その際展示するということだから、またお目もじ出来るのを期待して、1時間半の探検

ツアーは終了。

垂涎の美術書の存在を知り、少し足を伸ばして、このセンターにきて閲覧できる楽しみを

知りました。それが何よりの収穫。

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マックス・エルンスト(1891〜1976)の画集をヤフオクでゲットしたのは数年前。それ以来

シュールリアリズムの、画家の作品群を何かにつけて眺めては、版画の参考にしていた

のです。私の父(1890〜1972)と全く同時代を生きた画家。感慨無量。

マックス・エルンスト

フィギュアxスケープ 時代を超える偉業 2012/4/7〜6/24

2012年2月23日 (木)

水性インクで刷ってみる

シャルボネのインクに水性の製品《AQUA WASH》が手に入るようになり、一度使ってみよう

と、少し買っておいた。いつも使用する好きな青色、オーシャンブルーとプルシャンブルー。

水性インクは何よりいいのは手入れの簡単なこと。使用した版やへらやパレットを洗剤で洗

うだけで大方きれいになってしまう。

油性のインクを洗うとき、揮発性の強い溶剤を使用するので、工房ではいつも咳き込んで、

風邪ひいたの?と言われてしまうし。

今通っている工房はまだ水性インクを使用する態勢に入っていなくて、従来通りの油性イン

ク。使用する溶剤は灯油、リグロインをふんだんに使用している。環境に優しい方向には

中々行かない。だから簡単な洗剤も用意していなく、自分で持参する。

この前刷った『川の流れのように』を、水性インクで刷ってみる。青の流れがきつく出て、

もうすこし透明感が欲しかったし。

AQUA WASHのオーシャンブルーを使用する。やわらかくてノリがいい。

紙はいつものハーレミューレ。家で湿してきたものを使用する。油性インクの場合と同じも

の。とくに問題はなかった。

こんな具合で2枚刷ってみた。透明感がでて、前のものより自分の感性には合った。

すごく優しくて、穏やかだけれど、濃い場面(腐蝕の深い所)もしっかり色が出た。

水性インクの場合、青系はいいのかもしれない。

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2012年2月16日 (木)

川の流れのように

A

ずいぶん削って石ころの痕跡消してみたものがこれ。石が水底深く沈んでいくように。

B

そして水の流れに消えて行ったかのように見える。石ころは深く沈んで、泡になって消えていく。この版の上に最後の石っころを乗せてみる。長く腐食液にいれて、腐食させ、いい感じになるまで繰り返したものが、これ。この状況をみてうまくいったなぁと分かるようになった。刷って見れば、わかります。3角のかけらが、きっと流れの中でいきいきした表情になっているよ。B

まだインクを詰める前。きっと上手に出来上がっていると、この状態を見て、いそいそした気持ちになって、オーシャンブルーとウルトラマリンとプルシャンブルーの青づくしのシャルボネインクを混ぜたインクを作り、版に乗せていきました。

よく湿らせたハーネミューレの白5745を使いプレス機で刷りあげます。結構力が入りますから足の痛みもしっかり庇いながら、1回転して、そーっと紙をめくる時がどきどきします。うまくいったかな??   思ったように出来上がっていました。きれい!

私らしい作品が出来たねと周りで見ていた工房の仲間に言われましたけれど、やっとそうなったということです。今までのはみんなある意味、実験。銅という金属はなかなかデリケートな奴でして、ご機嫌伺いながら、こうしたらどうなるかと、繰り返していたわけです。余裕がありませんでした。今回は時間をかけて、楽しみながら作って行きましたから。

刷り終わった紙を家にもって帰り、すぐベニアに水張りして乾燥させます。寒いせいか中々乾かずシワが消えません。気長に待って自然乾燥するのを待っています。

                      ✩

                      ✩

                      できた

やっと水張りはがして開けてみる。少し青の色が濃かったような。

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結露はスピッドバイトと同じ

Photo

2012年2月11日 (土)

仕事始めの銅版画

年が明けてまだ銅版画に本腰入れていない。寒いことと、足の痛みが気になって、工房に

も中々足が向かない。思い切って出かけたのが1月も末。石ころ削って川底のような版も

準備が整ってきたし、次の段階の水の流れのような表現をしてみるつもり。

しばらく遠ざかると、どうやったらいいのか、勘を取り戻すのに、時間がかかる。

スピッドバイトという方法がいいと思うのだが、これもある意味一発勝負で、結構むずかし

い。私の好きな瞬間芸なのだから、うまくいけばそれなりの表現ができるのでおもしろい。

一日目は水の流れができるまで、繰り返し、腐食液を流し掛けのようにかけ、

何度も繰り返し、短時間の腐食で層をつくるように決めていく。短時間の繰り返し。

二日目は結果を見るため、試し刷りをしてみる。なんとか調子は出たかもしれない。

削った石の形が底に沈んで見えるといい。

Photo

ここまでは工房で作業ができた。次は流れの中に石を置いてみようか。

少し体調が良くなったので、思い切って朝から次の作業に入ってみる。myガレージ工房は

長いことそのままにしていた腐食液の調子も分からないけれど、なんとかやってみよう。

今度は植木鉢の破損したかけらを使ってみよう。形は三角形がおもしろいかも。

かけらを版の上にセットして、いつものようにラッカーで上からスプレーする。

はじめはラッカーをかけすぎて溜まりが出来、失敗。2度目はすこし高い位置からスプレー

してうまくいったようだ。寒いからラッカーも勝手が違う。B0211_2

30分ほど腐食してみる。ほとんど効果がない。寒いし、液の温度も低いから、

春先にしていた時間の3倍ぐらいかかるかも

30分づつ様子を見ながら腐食して、結局2時間ほどかかった。

何とか思ったような仕上がりになったかもしれない。来週工房へいって刷ってみて、うまくいけば、5月の八雲展に出してもいいから、紙を選んで慎重に刷ってみるつもり。

水の流れを出す方法をもうすこし研究する必要がある。暖かくなるのをまって次の作品にも取り掛からなくては。

2012年2月 6日 (月)

《かもめ食堂》を見た日

この映画を見ようと思ってTVをつけていたわけではない。見ていた番組が終わって気がついたら、見たことのある風景が流れていた。海辺にかもめが群れて飛んでいて、そのそばに市場が開いている。魚の市場や雑貨の露天。

もしかしてこの海の風景は、ヘルシンキ?ヘルシンキには2度行ったことがあって、あの海でかもめも見たし、市場を歩き回ったこともあった。空気が澄んでいるのが画像を見ていて分かった。

Photo                 フィンランドのガラスのカモメ 青い鳥 

「かもめ食堂」という映画の場面だった。映画の名前は聴いたことがあったけれど、日本の漁師町の話かと思っていた。全く関心がなかった。それなのに、ちょっと見始めたら、どんどん画面に吸い込まれて、けっきょく最後まできちんと見てしまった。

お客のこないがらんどうの食堂で小林聡美が料理を作っている。調理台に並んでいる鍋や食器のデザインに目がいった。みな洒落たデザイン。見たことあるなぁ。

お店のテーブルや椅子。これも知っている。アアルトのデザイン。アルテックの家具。

ヘルシンキに行ったのはフィンランドの建築家アルヴァ・アアルト(1898〜1976)の生誕100年記念ツアーに参加して、フィンランドの彼の設計した建築を見て回った時。1998だった。

アルテックのスツールはアアルト設計の教会の椅子としてぴったり存在していたもの。アアルト夫人のアイノ・アアルトが食器をデザインしていて、そのデザインが今でも流通している。

1992の夏には海岸に海からヨットで入港した。.その時がヘルシンキ初体験だったから、海辺のかもめや海岸で開かれていた市を興味シンシンで見て回った。すごく印象に残った旅をしたのだった。

「かもめ食堂」に釘付けになったのは、その風景、小物のデザイン、家具のデザインが映画の中で実に小ぎれいに使われていて、しかもぎこちないからだった。

壁に飾ってある絵が気になった。版画のような、抽象画。さりげなく部屋を引き締めている。女主人のアパートの壁とか、現地の女客の家の居間の壁にもいい絵が見えた。

登場人物は感情をあまり表さない食堂の主(小林聡美)。ガッチャマンの歌詞がみんな書けて、主人に気に入られレストランの手伝いを始めた旅人(片桐はいり)。ヘルシンキに着いたけれどトランクがつかずうろうろしていた中年の女(もたいまさこ)。かもめ食堂の一番客の特権で毎日コーヒーを飲みに来る日本語好きの若い男。

一人旅の女が目的も旅程も立てずに旅をしている設定。ガッチャマンって??という私の世代との妙な感覚の違いが、逆にこの映画をおもしろく見れたのかもしれない。眠気も消えて最後まで、かもめ食堂が満席になって、フルサービスで3人の女たちが働いている様子を見るまで、見てしまった。面白かった。いつかDVDを借りてまた見直そうかと思ったりした。

「かもめ食堂」 2006年3月公開 監督 荻上直子 原作 群ようこ

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